9月に開催された食肉業界の世界最高峰のコンテスト「IFFA日本食肉加工コンテスト2025(主催：ドイツ食肉連盟)」において、食肉加工品の製造・販売などを手かける新潟県佐渡市の「へんじんもっこ」の主力商品である「あらびきウインナー」「生ハム」「レバーペースト」など計9商品が、最高位である「金賞」を受賞した。
世界に認められた「頑固者」
「IFFA日本食肉加工コンテスト」は、3年に一度開催される食肉業界のオリンピックとも称される権威ある大会。本来ドイツ・フランクフルトで開催予定だったが、防疫上の理由等により日本での開催となった。審査員はドイツから来日した7名のマイスターたちが務め、審査基準はドイツ本国と全く同じ「絶対評価」で行われた。
審査の様子
金賞は、味、食感、香り、外観など100項目以上に及ぶ厳格な審査において、「減点ゼロ＝満点」を獲得した商品にのみ与えられる称号。本場ドイツのマイスターたちによる審査を経て、新潟・佐渡の地で育まれた技術と品質が世界トップレベルであることが証明された。
「へんじんもっこ」は、佐渡の方言で「頑固者」を意味する。「一度決めたら曲げない」「納得いくまで妥協しない」という、職人としての不器用なまでの実直さを誇りにしている。創業以来、効率よりも質を、流行よりも本質を追い求め、今回の9商品同時金賞は、まさにその「頑固さ」が世界に認められた結果だ。
本場ドイツの国家資格を持つ職人×佐渡の風土
「へんじんもっこ」の現在の代表である渡辺省吾氏は、高校卒業後すぐに単身ドイツへ渡り、食肉加工の本場バイエルン州の精肉店で4年間の修行を積んだ。言葉の壁、文化の違いを乗り越え、ドイツの国家資格である「ゲゼレ(職人)」を取得。帰国後、父であり創業者の慎一氏の後を継ぎ、ドイツの伝統的製法を忠実に守りながら、佐渡の気候風土に合わせた独自の熟成技術を磨き上げてきた。
ドイツの製法は、肉本来の結着力を活かし、必要最小限の添加物で最大の旨味を引き出す技術。「佐渡の食材×ドイツの技術×頑固な心」が三位一体となって初めて「へんじんもっこ」のソーセージは完成する。
今回、9つの商品が金賞(満点)評価を得たことは、代表・渡辺氏個人の技術だけでなく、日々の製造を支えるスタッフ全員のスキル、衛生管理、そして「美味しいものを届けたい」というチーム全体の情熱が高く評価された結果だ。
また、ローストビーフにおいても銀賞を受賞し、多角的な技術力の高さを示した。
「へんじんもっこ」の顔ともいえる9商品が受賞
満点評価の金賞を獲得したのは9商品。
「あらびきウインナー」は、肉の食感をダイレクトに感じる、溢れ出す肉汁が特徴の王道。
「生ハム/ロースハム」は、佐渡の風と時間が作り上げた、芳醇な香りと深い旨味。
「焼きソーセージ」は、香ばしさが食欲をそそる、ドイツの屋台の味を再現。
「ニンニクソーセージ」は、パンチの効いた風味が癖になる一品。
「レバーペースト」は、臭みがなくクリーミーで濃厚な味わいで、ワインとの相性も抜群。
「ビアブルスト」は、ビールに合うマスタード香るスライスソーセージ。
「ヴィンツァーサラミ」は、ワインと相性の良い赤ワイン入りサラミ。
「ペッパーバイサー」は、グリーンペッパーをホールで入れた発泡系のお酒と合うサラミ。
いずれも「へんじんもっこ」の顔ともいえる商品だ。
佐渡の特産品を活かした新商品を開発中
20年前(2005) SUFFA表彰
「へんじんもっこ」はこれまでも、ドイツ農業協会(DLG)主催の国際品質競技会など数々のコンテストでメダルを獲得し、その品質を磨いてきたが、今回のIFFAでの大量受賞は新たなスタートラインとなる。
近年では、佐渡産のゆず皮を練り込んだソーセージ、佐渡ミカン皮入りビーフジャーキーなど、地域の特産品を活かした新商品開発にも力を入れている。「いずれは佐渡を代表するお土産になるような商品を作りたい」「3年後の大会では個人部門でも入賞を狙いたい」との思いで、佐渡の「頑固者」として、世界中の食卓に笑顔と驚きを届けるため、一本一本のソーセージに魂を込めて製造していくとしている。
「IFFA日本食肉加工コンテスト2025」にて金賞を受賞した「へんじんもっこ」の9商品を味わってみては。
へんじんもっこHP：https://henjinmokko.com
へんじんもっこ公式オンラインショップ：https://devinco.base.shop
(山本えり)
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