日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、青森県旧尾上町(平川市)を写真とともに紹介する。
Vol.391/青森県旧尾上町(平川市)
青森ねぶた祭、五所川原立佞武多、弘前ねぷたまつりの、青森三大ねぶたに出会うことができた幸運と興奮を胸に、再び旅を進めていく。数日間は仕事で青森県を離れていたが、弘前市の友人のご実家にカブを置かせていただき、安心して仕事に向かうことができていた。人とのご縁はつくづくありがたい。
そして、友人のご実家から弘前市を出発し、最初に訪れたのは平川市の旧尾上町だ。弘前市の東に位置し、町域はおおむね津軽平野に含まれている。移動中はりんご畑にも出会い、広々とした田んぼと低い山並みの緑が美しかった。市街地には戸建ての住宅が並び、落ち着いた暮らしの時間が広がっている。
また、市街地からも近い猿賀公園を訪れてみる。木々に囲まれた庭園で、中央には大きな池が浮かび、朱色の橋が架かっている。最も有名なのは、蓮のようだ。そして、訪れた時期は夏だったので、ちょうど蓮の花が池一面に咲いていた。ほかにも観光客はやってきていて、みなさんの目的も蓮の花なのだと感じられた。池の周辺を歩けば、独特の蓮の香りが鼻をツンと刺激する。日差しは強く、淡いピンクの花びらと、大きな葉のコントラストは目に焼き付くばかりだ。四季によって全く違う姿であろう池の様子も、また見てみたいと思うのだった。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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