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青森県深浦町
日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、青森県深浦町を写真とともに紹介する。
Vol.396/青森県深浦町
この日は深浦町と旧岩崎村(深浦町)の二つのまちを巡ることにした。数は少ないものの、元々距離があることはわかっていて、弘前市からは往復で8時間ほど掛かったのだった。最初にやって来たのは深浦町。前回の旅では千畳敷と呼ばれる奇岩の海岸を訪れていた。ただ、千畳敷も深浦町ではあるが、中心部はもっと日本海寄りの西側に位置していて、訪れたことがなかった。だから今回は、そこまで絶対に行きたいと思っていた。
深浦の中心部には、「風待ち館」という施設があった。風待ちとは、気仙沼でもあった地名だ。風を待つのは帆船のことで、すなわち北前船を指す。深浦は北前船で栄えたまちなのだと、あらためて気付かされた。
現代の地理的な見方だと、深浦町は青森市や弘前市からも遠くて、ちょっと不便に見えるけれど、江戸時代でいえば、北前船が何より貿易の要だったわけで、まちの賑わいも頷ける。
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道の駅ふかうらへ
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魚もたくさん売っていた
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イカたちも
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深浦町役場
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深浦の海かあ
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なつかしさもある
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風待ち館もあった
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円覚寺というお寺にも
市街地はやはり港町としてのなつかしさが感じられた。静かな日常がまちを包み込む。何より内陸部は非常に深い森が広がっていて、なかなか生活の場という感じではない。大きな道路も鉄道もほとんどが海岸線沿いを通っていた。海とともに暮らしがあり、それは今も受け継がれている。日本も広いと感じるばかりだ。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
仁科勝介公式Twitter:https://twitter.com/katsuo247
仁科勝介公式Instagram:https://www.instagram.com/katsuo247