【京都府京丹後市】「丹後の小さな美術館」オープン！暮らしとものづくりの現場から生まれた作品を展示

丹後ええもん工房が手掛ける「丹後の小さな美術館」が、京都府京丹後市にある丹後地域地場産業振興センター内のギャラリースペースとして9月13日(土)にオープン。丹後半島の暮らしとものづくりの現場から生まれた職人の技による作品を展示する。

「丹後の小さな美術館」とは

織物・工芸・食品のジャンルで活躍する22の工房からなる丹後ええもん工房は、京都府丹後地域で継承されてきた伝統と技術を生かし、多彩で新しいものづくりに挑戦。

そして、丹後地域内外へ情報を発信して新たな魅力を創造しながら、次世代に伝統と技術を繋いで行くことを目的として活動している。

今回オープンした「丹後の小さな美術館」では、丹後ええもん工房のうち9工房によるアート＆クラフト作品を展示。丹後半島に暮らす人々と共創して創り上げた空間では、日々の暮らしの中で大切にしている「地域へのこだわり」と「ものづくりの楽しさ」をスペース全体で表現した。

丹後地域のアトリエ・工房でしか出会えない作品に触れ、それぞれのストーリーを探訪するためにものづくりの現場に足を運んでほしいという。

明治中期創業の丹後の藤布遊絲舎は、藤織の技術を継承して絹織物と融合させた作品を製造し、工房では手機織り体験も行う。

和びデザインと共同開発した「藤布あかり」33,000円(税込)は、縄文時代から伝わる織物「藤布」と手漉き和紙を組み合わせたルームライト。藤布のもつ野趣あふれる深い味わいがあたたかみのある影を生み出し、豊かな時間をもたらす。

ぬくもりを感じるガラス作品や雑貨ブランドを提案し、工房体験も実施するガラススタジオ来夢は、ガラスという素材のオモシロさや新たな価値を生み出すものづくりに挑戦。

「ガラスオブジェ・景(シーン)」120,000円(税込)は、光を拒むように真っ黒な日本海に照らしだされた大漁という光を見い出すワンシーンだ。

「にう上澄み」165,000円(税込)は、酸度とアミノ酸をコントロールして世界が好むワインの複雑な味わいを実現するオリジナル醸造技術から生まれた日本酒。1847年に創業し、酒蔵での試飲もできる竹野酒造限定で販売する。

染色工房嶋津は作品の開発から縫製まで一貫して行うほか、染色体験等を実施。シルク100％の「ぼかし染めストール」9,900円(税込)は、丹後の生地を一枚一枚手染めしたOnly Oneとなっている。

丹後八姫会は、地域に伝わる静御前、間人皇后、小野小町、乙姫、羽衣天女、細川ガラシャ、安寿姫という「丹後七姫」に川上摩須朗女を加えた「丹後八姫人形」を制作。細部までこだわった装飾に、作家の手仕事による技が光る。

大は丹後ちりめん正絹で1体8,000円、小は和紙で1体1,500円。

風呂敷の総合商社である山藤では、工房見学や風呂敷包み体験も可能。

格調高い雲霞の柄を採用した「正絹ちりめん友禅ふくさ(袱紗雲霞)」8,800円(税込)は、緯糸で織り上げた絹100％の小風呂敷だ。丹後ちりめんの特長であるシボの膨らみによる光の乱反射が美しい。

オリジナル畳の開発や畳グッズの手作り体験を行う畳工房ヨシオカは、2023年に座面や足元などを部分的に温められる「暖房畳」で特許を取得した。

展示品の「黒檀・暖房畳(心温)」98,000円(税込)は表面に黒檀を用い、繊細な木目柄を表したという。

ASOWOODは「人や自然に負荷をかけない建築」をコンセプトに、丹後の木材のブランド化を目指す。

「asowood. flower」34,000円(税込)は、丹後の木を角材から削り出し、薄く継ぎ目のない滑らかな曲線のアクセサリーケースと、季節の花をモチーフとしたつまみ細工のブローチ。

先染織物で帯やタペストリー、和装小物等を制作する木本織物夢奏殿は、工房を見学できる。家紋という「伝統」の文様に「モダン」を重ね合わせた「SOU 奏」41,800円(税込)は、日常で伝統を纏えるデザインだ。

丹後ならではの文化と伝統を学びながら、実際に気になった作品の工房にも行ってみては。

■丹後の小さな美術館
住所：京都府京丹後市網野町網野367番地丹後地域地場産業振興センター(通称：アミティ丹後)内
営業時間：9:00～17:00
定休日：丹後地域地場産業振興センターの休館日に準ずる

丹後ええもん工房公式HP：https://tango-eemon.com
丹後ええもん工房公式Instagram：https://www.instagram.com/tango.eemonkobo

(紫原もこ)