
レイモンド斑鳩こども園の多目的ホール「うちの広場」 写真:中村絵
キノアーキテクツ並びに檸檬会は、「レイモンド斑鳩こども園」「レイモンド甲賀こども園」「奈良おもちゃ美術館」が第19回キッズデザイン賞を受賞したことを発表した。
さらに、「レイモンド斑鳩こども園」は、受賞作品233点の中から、優秀賞(経済産業大臣賞)に選ばれた。
キッズデザイン賞について
キッズデザイン賞は、「子どもたちが安全に、そして安心して暮らす」「子どもたちが感性や創造性豊かに育つ」「子どもを産み育てやすい社会をつくる」という目的を満たす製品・サービス・空間・活動・研究の中から、子どもや子育てに関わる社会課題解決に取り組む優れた作品を選び、広く社会に発信していくことを目的に2007年に創設された。
子ども用にデザインされたものはもちろん、大人・一般向けに開発されたものでも、子どもや子育てに配慮されたデザインであればすべてが対象となる。
法隆寺の回廊に着想を得た「レイモンド斑鳩こども園」
各施設について詳しく見ていこう。
まずは、奈良県斑鳩町の「レイモンド斑鳩こども園」。受賞カテゴリーは「子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン」で、部門は「クリエイティブ部門」。優秀賞(経済産業大臣賞)を受賞した。
キノアーキテクツが建築設計を手掛けた「レイモンド斑鳩こども園」は、世界最古の木造建築である法隆寺から近く、住宅や田畑、寺院が広がる静かな環境に開園。

写真:高野友実
法隆寺の木柱の回廊に着想を得て、建物内外に縁側のように使える回廊を設け、自由な回遊性を促した。

列柱が並ぶ「うちの広場」 写真:高野友実
奈良県で100年続く林業家の奈良県産の枝付き丸太や磨き丸太を列柱としてデザインに取り込み、子どもが木材に直に触れられる地産の木質環境を実現している。
審査委員は、「周囲の環境と相まって季節の移り変わりや自然との触れ合いを促す空間づくりが機能的かつ美しい。特に地元産材の列柱を配したホールの空間的存在感は特筆に値する。外の回廊は縁側のようであり、子どもが歩き回り自由に遊べる装置になっている点も秀逸であり、子どもの記憶に深く刻まれるデザインとして高く評価した」とコメントしている。
定員200名の大規模園「レイモンド甲賀こども園」

写真:高野友実
同じくキノアーキテクツが建築設計を手掛けた「レイモンド甲賀こども園」は、滋賀県の田園地帯に開園した定員200名の大規模園。軽やかな家型の木架構が園舎を横断し、屋内広場と保育室、ホールを連続させる。

写真:高野友実
屋外には運動用の広場、野菜や花を育てる広場を設け、室内には広場と小さな空間を点在させた。びわこ材の木質空間で子どもの居場所をつなぎ、主体性や多様性を受け止める環境を目指したという。
「木育」がテーマの体験型施設「奈良おもちゃ美術館」
「奈良おもちゃ美術館」は、大学図書館だった建物を再活用した「木育」がテーマの体験型施設。良質な木のおもちゃを通じて、年齢や国籍、障がいの有無に関係なく、小さな子どもからお年寄りまで誰もがいっしょに遊び、学べる場としてオープンした。
2階のおもちゃ美術館エリアでは、約300種類・約5,000点の国内外の木のおもちゃを用意。奈良の町並みや文化を表現し、奈良県の文化的特徴・歴史的な魅力を楽しめる。
1階には、1,000冊以上の絵本を中心とした書籍が読める「MOKUMOKU Cafe」やイベントスペース、ミュージアムショップを併設している。
なお、建築設計は、1階がキノアーキテクツ、2階はTree to Greenが手掛けた。
檸檬会について
檸檬会は、「レイモンドほいくえん」や「れもんのこほいくえん」などの保育施設を運営。また、児童発達支援や就労支援など障がい福祉事業も展開している。12都府県であわせて91施設(110サービス)を運営し、社会課題の解決に取り組んでいる。
90以上の建築賞、デザイン賞を受賞
キノアーキテクツは、東京と京都の2拠点で、建築家の木下昌大氏を中心に活動する一級建築士事務所だ。合葬墓、こども園、保育園、図書館、集合住宅など、社会課題に直結する建築やランドスケープを設計。建築がつくられたことによって自然や街並みが息を吹き返すような、周囲の環境も最適化する建築を目指す。これまでに手がけた作品は国内外で高く評価され、90以上の建築賞、デザイン賞を受賞している。
この機会に、「第19回キッズデザイン賞」を受賞した「レイモンド斑鳩こども園」「レイモンド甲賀こども園」「奈良おもちゃ美術館」についてチェックしてみては。
檸檬会HP:https://global.lemonkai.or.jp
キノアーキテクツHP:https://www.kinoarchitects.com
(ソルトピーチ)
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