【東京都港区】作家・やましたあつこ個展「reflect」開催。光と静寂が映す、心の深層

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幅広いジャンルのプロデュース、コンサルティングから、デザインワークまでを手掛けるデザイン会社のアゾーンアンドアソシエイツは、11月5日(水)~12月3日(水)、アートギャラリー「void+」にて作家やましたあつこ氏の個展「reflect」を開催する。

内面と現実を往還する、やましたあつこの世界


やましたあつこ氏は、“邪魔のない幸せ”をテーマに、差別や暴力のない世界を描き続けている作家だ。主な個展に「eating a butterfly」HARUKAITO by ISLAND(東京、2025年)、「まなざしを綴る」Tokyo International Gallery(東京、2023年)などがあり、「第35回ホルベインスカラシップ奨学生」(2022年)をはじめ、数々の賞を受賞している。


作品には、すべての動植物が対等な存在として描かれ、草木や色彩の粒が画面いっぱいに広がる。幼少期のトラウマを原点に、個人の内面と現実世界を往還しながら独自の内的世界を構築してきたという作品には、静謐さの奥に強い光を宿すまなざしの人物や、生命力に満ちた植物が印象的にたたずむ。


この度、「void+」にて初めて開催される個展「reflect」では、やました氏がベルリン滞在を経て制作した油彩作品約15点を展示。環境の変化を求めて渡ったベルリンで得た、曇天に覆われた街の風景に“陰”の部分を共鳴させる経験をもとに描かれた作品が並ぶ。

「Atsuko Yamashita | echo」全52頁/210×267mm/発行:void+

また、隣接スペースの「@zone;」では、作品集「echo」を記念した展示も同時開催する。

ベルリンでの個展「mirror」から「reflect」、そして作品集「echo」。これらは、内面と現実との往還をテーマにその距離感の変化を表すように名づけられた三部作である。“内と外”、“動と静”が交錯する詩的な世界が浮かび上がる展示は、自分自身と世界を改めて問い直すきっかけを与えてくれるだろう。

パリからドイツへ、内なる旅が導く創作の原点


やました氏は、「reflect」開催に際し、自身の創作に深く関わる過去の体験について以下のようにコメントを寄せた。

「7年前、私はパリにいた。知り合いが滞在していたレジデンス施設を1ヶ月間だけ間借りして、せっかくの海外もあまり外出することなく絵を描いていた。若い頃は怖いもの知らずというけれど、あの時の私はいろんなことが不安で怖い物だらけ。施設内の森を散歩するだけで、引きこもっているのもどうかと思い、なんとなくドイツへ行った。そこは薄暗く、すべての景色はグレーでとても魅力的だった。陰気な自分と共鳴したのかもしれない。(一部抜粋)」

現在、再びドイツに滞在しているやました氏は、マティスのロザリオ教会やガウディのカサ・バトリョ、スイスのユングフラウヨッホ、キザのピラミッドなど、数多くの場所を訪れ、創作の糧にしているという。

「例のレジデンスにも再び足を運んだ。(中略) 懐かしさと共に手探りで進もうとする、か細い自分を思い出した。今の私は、いわゆる怖いもの知らずで、人間らしくなってきたと思う。でも、そうなれたのは、あの時の私が自分に負けずに頑張ったからだ。タイムスリップできたら褒めてあげたい。 (一部抜粋)」

最後は「ありがとう、7年前の私」と結び、過去の自分に思いを馳せている。

過去と今が交錯するやましたあつこ氏の世界。個展「reflect」に足を運び、その世界を感じてみては。

■やましたあつこ個展「reflect」概要
開催期間:11月5日(水)~12月3日(水)
開催時間:12:00~19:00
※レセプションは11月8日(土)17:00~20:00開催
会場:void+
住所:東京都港区南青山3-16-14 1F
定休日:日・月

void+公式HP:https://www.voidplus.jp

(Kanako Aida)

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