てあわせは、被災地で進む孤独死など高齢者の終末不安解決のため、新サービス2種「てあわせ葬送委任」「てあわせ終活窓口」の提供を、4月より開始する。
東日本大震災後の高齢者の終末不安
東日本大震災の発災から14年が経過した災害復興住宅では、住民の急激な高齢化と孤独死の増加が進み、「終末不安」が深刻化しているという。
また、コロナ禍による葬儀の簡素化は、大切な人との別れを形式的で軽薄なものにしてしまい、伝統的な葬送文化を重んじる東北では、「死後不安」を一層助長しているとのこと。
住み慣れた故郷を離れ、復興住宅で暮らす高齢者にとって、これまで築いてきた信頼や人間関係が無縁化し薄れていくことは、何よりも辛く悲しいことだろう。さらに、自分の葬儀やお墓の問題をどのようにすればよいのかという悩みも、深刻さを増しているという。
新サービス提供の背景
震災後の2013年に設立されたてあわせは、犠牲者の冥福と震災復興を祈る鎮魂の桜植樹活動を始めた。被災地沿岸に千本の桜を植樹し、宮城県石巻市に鎮魂の森を開園。森の中央には犠牲者を悼む慰霊碑を建立した。
復興支援で訪れた倍賞千恵子氏が植樹した桜樹木葬は、シンボルツリーとして希望の花を咲かせている。
また、てあわせでは、近年の多死社会に対応するため、終活をテーマにしたセミナーをこれまでに累計10回以上開催し、高齢者の悩みに寄り添ってきた。
これらの活動から、家族を亡くし、故郷を離れて復興住宅で暮らす高齢者たちの、終末や死後への不安が浮き彫りになったという。また、てあわせでは、こうした終末不安が被災地だけでなく、日本全体が抱える深刻な社会課題になっていると感じたそうだ。
そこで、寺院、士業、葬祭業と連携し、「てあわせ葬送委任」と「てあわせ終活窓口」のサービスの提供を開始することを決定した。
生前契約プラン「てあわせ葬送委任」について
今回てあわせが提供する新サービスの1つ目は、万一の時の葬儀・火葬・永代供養墓をセットとする生前契約プラン「てあわせ葬送委任」。
葬送委任とは、自身が亡くなった後に必要となる各種葬儀式を、あらかじめ信頼できる第三者に委任する契約のこと。これにより、遺された家族や親しい人たちの負担を軽減し、自身の希望に沿った葬送の手続きを確実に行うことができる。
主な委任内容は、「葬儀の手配」「火葬・埋葬の手続き」「納骨」。希望の形式や規模での葬儀、火葬や埋葬に関する各種手続き、指定した場所への納骨手続きとその後の供養を委任することができる。
「てあわせ葬送委任」では、四十九日を目安に寺院で供養し、その後樹木葬納骨される。逝去後から通夜・火葬・告別式は2日間の家族葬で、葬儀納骨は後日、寺院葬となる。
基本料金は90万円。通夜告別式の人数は10名までで、火葬、通夜・告別式・寺院葬儀戒名、樹木葬永代供養が含まれている。
「てあわせ終活窓口」について
てあわせが提供する新サービスの2つ目は、墓じまいや遺品整理のほか、空き家問題などにも対応する「てあわせ終活窓口」。このサービスは、墓じまい・遺品整理・空き家問題などの相談をワンストップで専門家に繋ぐ支援となる。
終活とは、人生の最後に向けた準備を行うこと。心の整理や、残された家族や友人への思いやりとして、近年では終活の重要性が高まっている。てあわせでは、終活を進めるうえでの基本情報をわかりやすく解説し、初めての人でも安心して取り組めるようサポートする。
安心終活セミナーを開催
てあわせでは、3月1日(土)・2日(日)の14:00〜16:00に、宮城県の仙台と石巻にて、安心終活セミナー「震災後の終の大波への備え」を開催する。
このセミナーでは、『いいお坊さん ひどいお坊さん』の著者で行政書士の勝桂子氏を招き、「震災を超えて独居高齢者の死後準備」をテーマにした講演会を実施。
また、てあわせ 理事長・常堅寺住職の後藤泰彦氏が、2種の新サービスについて説明する。
3月1日(土)の開催場所は、東京エレクトロンホール宮城4F 研修室。参加費は無料で、定員は50名。3月2日(日)の開催場所は、石巻ささえあいセンター。参加費は無料で、定員は30名。両日ともに事前予約制となっている。
また、てあわせでは、東日本大震災に関わるイベントとして、4月12日(土)~13日(日)の一泊で、「みちのく花巡礼墓ともバスツアー」と題した桜樹木葬見学会を実施する。
新サービスの詳細や、セミナー、ツアーの詳しい情報や予約方法は、てあわせのHPで確認を。
この機会に、終末不安の対策として新たに開始されたサービスや、終活セミナーをチェックしてみては。
てあわせHP:https://teawase.net
(yukari)