大阪市鶴見区を拠点に介護保険事業を展開するfamilinkは、デイサービス(介護保険事業)・ダンススタジオ・キッチン・シェアスペース、4つの機能を持つ複合型施設「多世代交流拠点ROOP」を3月3日(月)にオープンする。
「多世代交流拠点ROOP」オープンの背景
「多世代交流拠点ROOP」は、通常併設されにくい介護保険事業と保険外事業を同敷地内で運営する点に特徴があり、子どもからお年寄りまで誰もが利用することができる。
デイサービスや訪問介護などの介護事業を運営するfamilinkは、コロナ禍に軒並み苦しい運営を強いられたという。そんな中でも、利用者であるお年寄りの人々が、限られた時間の中で自由に外に出られなくなり、足腰が弱っていってしまうのを見て、スタッフは非常に辛く、歯痒かったと言う。
特に、老人ホームに入居中の人々や病院に入院中の人々は、コロナ禍の緊急事態宣言などの影響もあり、面会制限や外出制限をかせられることも多く、家族に会いたくても会えない時期を長く過ごした。
老後も“自分のやりたいことができて、会いたい人に会える”、この当たり前をコロナ禍を経た今、改めて実現するべく、子どもからお年寄りまですべての人が集うことができる施設を作りたい、という願いを形にしたものが「多世代交流拠点ROOP」だ。
昨年末に実施した開設に向けたクラウドファンディングでは、総支援者137人、総支援額440万円をこえる支援が集まり、大きな注目を集めたという。
高齢者向け「リハビリンクデイサービス」
「多世代交流拠点ROOP」は、さまざまな年齢、環境、特性の人が出入りでき、かつ街に開けた“場所”にするために、複数の機能を持たせている。
施設内にある高齢者向けデイサービス「リハビリンクデイサービス」は、お年寄りが安心してゆっくり過ごすことができる場所。お風呂、食事提供を行い、生活を支えるインフラの要素を兼ねている。
食事は、お年寄りの人々が毎日デイサービスに行くのが楽しみになるよう、近隣のカフェの人々が作る温かな食事を用意。毎日違ったメニューが提供される。
familinkが兼ねてより運営していたデイサービス「リハビリンクデイサービス」の特徴である運動に特化した機能を残すことで、既存の利用者の要望にも答えつつ、現在運営中のデイサービスでは支えきれなかった人々も、より長く同じ場所で繋がりを持って過ごすことができる設計になっている。
なお、既存の「リハビリンクデイサービス」は、「多世代交流拠点ROOP」開所に伴い、「多世代交流拠点ROOP」内に移転オープンとなる。
デイサービスの場所をダンススタジオとしても利用
デイサービスの課題として、日中の利用時間以外の場所の活用ができないことが挙げられるが、「多世代交流拠点ROOP」では、この空白の夕方からの時間をダンススタジオとして利用できる設計にすることで、無駄な時間を作らず、場に雇用と可能性を生み出す。
場の複合的な活用を進めることで、利用コストを下げ、結果的にダンススタジオを使って新たな習い事や楽しみのチャレンジに対するハードルを下げることができる。ダンススタジオを小さな子供が利用することを想定し、横堤駅から徒歩3分という立地や、街頭のある商店街であることを優先事項として選んだという。
自由に使えるシェアキッチン・シェアスペース
familinkの代表・金児氏は、「つるみトキメキMAP」という企画の制作に関わった際に、鶴見区で働く人、主婦の人の中で新しいチャレンジをしたい人が多いという実情を知ったという。
そんな人々の背中を押してあげたいという思いから、「多世代交流拠点ROOP」内にシェアキッチン・シェアスペースを設置した。
地域の主婦・高齢者が料理イベントやワークショップを行ったり、お茶をしながらゆったりするのも自由。地域のカフェ、飲食店として開放することもできる。
誰でも気軽に立ち寄れる共有スペース
「多世代交流拠点ROOP」の入り口からすぐの場所は、地域住民も自由に入ることができる共有スペースとして、ソファーや観葉植物を配置し、コーヒーを飲んだり本を読んだりできるような場所になっている。
個展を開いたり、鶴見区の情報を集めたり、研修を開催したりすることも可能。介護保険サービスを利用せずともふらっと立ち寄れる場所にすることで、可能な限り街に開かれた場所を意識したデザインになっている。
子供からお年寄りまで自然に集うことができる「多世代交流拠点ROOP」に注目だ。
■多世代交流拠点ROOP
住所:大阪府大阪市鶴見区横堤2丁目22-13アクティエビス1F
詳細ページ:https://familink.jp/2025/02/27/rooppress
(yukari)